『プリズンホテル 夏』頭の中でホテルの地図が立体になる快感!読書レビュー

「プリズンホテル 夏」(浅田次郎)を読み終えました。
あまり読書をしない私ですが、面白くてスイスイと読み終えてしまいました。

母へのちょっとわがままなリクエスト

この本を選んだキッカケは、母と本屋で本選びをしていた時のこと。

  • 感情移入しない
  • 面白い
  • 感動系じゃない

私のこんなわがままなリクエストに、読書家の母が教えてくれたのが、
この『プリズンホテル 夏』でした。

さすが母。私の好みを完全に分かっていました。

登場人物が「全員嫌い」だった

読み始めてすぐの感想は、「好きな登場人物がいない」でした。

特にメインの主人公・木戸孝之介は大嫌いでした。
女性を殴るし、偉そうで、偏屈。
ちょっと読むのを止めようかなと思うくらい不愉快だったんです。
読み進めても、出てくる人たちは自分勝手な人ばかり。
正直、最初の一歩は、登場人物に好きな人が一人もいませんでした。

「みんな、その考え方はなんなの?」と心の中でツッコミながらも、
「あ、感情移入しないっていう私のリクエスト通りだ」とも思いました。

しかし、物語はとにかく面白く、どんどんページが進んでいきます。

嫌いなのに、親近感が湧いてきた

不思議なことに、みんな自分勝手な奴らなんだけど、
「あぁ、そういう人っているよな」って共感できるところがたくさんありました。
だから、どこか親近感がある。
「好きじゃないのに、親近感がある」って、矛盾しているでしょうか?

頭の中で「ホテルの地図」が立体になる快感

一番ワクワクしたのは、後半の展開です。
最初はバラバラだったお客たちのストーリーが、どんどん繋がって、交わっていく。

本の最初にある「ホテルの館内地図」。
読み始めは「ふぅん」と流していたのに、物語が進むにつれて、
その地図が頭の中でどんどん立体になっていきます。

いつの間にか私は頭の中で、ホテルの中に入り込んでいました。

読み終わるころには、全員「憎めないやつ」

そして、たくさん泣いて、笑って、読み終わるころ。
(もう完全に感情移入して、感動していました!)

あれほど「全員嫌い」から始まったのに、気がつけば、ほとんどの登場人物を好きになっていました。いや、「好き」というよりは、「もう、本当に憎めないやつらだな!」っていう愛おしさかもしれません。

すっかりこのホテルの虜になってしまったので、
次の作品「プリズンホテル 秋」も絶対に読みます。期待大!

コメント

タイトルとURLをコピーしました